弁護士コラム

養育費はどうやって決めるの?・その4

[投稿日] 2018年11月26日 [最終更新日] 2018年11月26日
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伊東 結子 弁護士 つきのみや法律事務所

【初回来所相談60分無料】離婚・親子問題・借金・解雇・相続・成年後見など、家庭生活をおびやかすトラブルの解決に、積極的に取り組んでいます。初回のご相談で解決までの道筋を提案いたします。

 

前回のブログでは,養育費の金額を決める際の重要な資料である「算定表」の見方について,夫婦のいずれか(もしくは両方)が自営業者の場合を取り上げて具体的な説明をしました。

今回のブログでは,夫婦のいずれか(もしくは両方)が年金生活者の場合について,算定表の見方を詳しく説明します。 

これまでのブログにも記載しましたが,算定表で養育費を計算するにあたっては,次のデータが必要です。

(1)子どもの人数,年齢
(2)夫婦それぞれの職業(例:会社員,自営業)
(3)夫婦それぞれの年収(税引き前の支払総額)

また,以下の記事を読む際には,算定表がお手元にあると分かりやすいと思います。
※算定表は,東京家庭裁判所のホームページからダウンロードすることができます(http://www.courts.go.jp/tokyo-f/saiban/tetuzuki/youikuhi_santei_hyou/)。

また,養育費を支払うことになる側(離婚後,子どもと離れて暮らすことになる側)が「義務者」,養育費をもらうことになる側(離婚後,子どもと一緒に暮らすことになる側)が「権利者」ですので,算定表の縦軸・横軸に記載された「年収」は,義務者・権利者のそれぞれの年収を当てはめて見ていくことになるというのも,これまでのブログでご説明したとおりです。

 

夫婦のいずれか(もしくは両方)が年金生活者である場合は,便宜上,算定表の「給与」の欄に記載された数字を参照することになっています。この時に注意したいのが,年金の支払総額(税引き前の年収)をそのまま算定表にあてはめてはならないということです。

 

実は,算定表を用いた給与所得者の養育費の計算では,給与所得の2割が「職業費」として使われているという前提が存在しています。
「職業費」というのは,収入を得るために必要な経費のことで,例えば,サラリーマンのスーツ代や交通費,仕事に必要な知識を得るための書籍代や同僚との懇親費などが「職業費」に当たります。

 

算定表を用いた養育費の計算では,給与所得者は,給与所得のうち「職業費」として支出しなければならない金額(給与所得の2割)は養育費の支払いには回せないものとして考慮されているのです。※給与所得の2割もの金額を「職業費」として考慮する必要があるのかという問題はあり,この問題意識が新たな算定表の作成へとつながっていきます。新算定表については別の機会にご説明します。

 

年金生活者の場合,収入を得るための経費は存在しませんので,算定表の「給与」の欄に記載された数字を便宜上参照するにあたっては,「職業費」として考慮されてしまう年収の2割を,あらかじめ年収に加算しておく必要があります。

 

具体的には,「年金の支払総額(税引き前の年収)÷0.8」で計算した額を,算定表の「給与」の欄に記載された数字にあてはめることになります。こうして算定表の縦軸・横軸の数字を確定し,そこから表内にたどっていき,交差した点の属する金額帯が養育費の月額の目安となります。

 

次回は,夫婦の一方(もしくは両方)が無職の場合について,算定表の見方を詳しく説明する予定です。

伊東 結子 弁護士

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コラムの内容は更新時のものであり、最新の情報と異なることがあります。

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