弁護士コラム

交通事故で相手方の対応が期待できない場合

[投稿日] 2017年06月25日 [最終更新日] 2017年06月25日
Resized avatar mini magick20170419 15354 4y9nui

小川 智史 神田須田町法律事務所

依頼者のために最善を尽くしていきます

 交通事故で被害に遭われた方から、相手方(加害者)からの対応が期待できない場合、具体的には、①当て逃げ等で相手方自体が特定できない場合、②相手方は分かっているものの、電話等では応答しない場合、③相手方が(任意)保険未加入であり、誠実な対応が期待できない場合についてご相談を受けることが少なくありません。そこで、これらの場合における対処法について検討します。

 

1.相手方自体が特定できない場合について

 交通事故が発生したにもかかわらず、そのまま立ち去ってしまういわゆる当て逃げの場合、交通事故が生じた際の報告義務違反に当たるとともに(道交法72条1項後段)、被害者に怪我が生じている場合にはいわゆるひき逃げとして救護義務違反に当たり(同法72条1項前段)、いずれも罰則があります(同法119条1項10号、117条)。

 したがって、まずは管轄警察署(警察官)に報告の上、捜査を行なって頂き、加害者を発見して頂く必要があるでしょう。

 もっとも、事故現場付近に防犯カメラがなく、相手方のナンバーが分からない場合には、加害者を発見するのが容易でない場合があります。このような場合、事故現場に目撃者を求める旨の看板が設置されるケースも少なくないため、看板の設置を管轄警察署にお願いする方法が考えられます。

 

2.相手方と連絡が取れない場合について

 事故発生時に相手方から電話番号はうかがったものの、その後連絡が取れなくなるケースがあります。

 このような場合、相手方の住所を調査して、正式な文書で請求を行なう方法が考えられます。相手方の住所については、当該事故に関する交通事故証明書を取得すれば、証明書に記載されています。交通事故証明書の取得方法については、自動車安全運転センターのホームページに記載されていますので、詳細はこちらを確認頂けましたら幸いです。

 文書の送付方式について、内容証明で送るべきか否かは事案ごとの検討が必要ですが、少なくとも特定記録や簡易書留等、送付記録の残る形で送付した方がよいでしょう。

 相手方が任意保険会社と契約している場合、正式な文書が届けば、任意保険会社に依頼して交渉が開始するケースが少なくありません。

 その他、交通事故証明書には自賠責保険会社名も記載されていますので、相手方自賠責保険会社に連絡すれば、自賠責保険会社を通じて相手方本人あるいは任意保険会社に連絡がなされる可能性もあります。

 

3.相手方が(任意)保険未加入の場合について

 相手方とは連絡は取れるものの、(任意)保険未加入等の理由により、十分な賠償が期待できない場合があります。このような場合には、以下のような方法が考えられます。

(1) まず、自賠責は強制加入とされていますので、被害者に怪我が発生している場合には、自賠責保険会社に請求する方法が考えられます。ただし、物損は対象外であるとともに、人損についても通常の傷害については治療費・慰謝料等併せて総額120万円が上限とされている点に注意する必要があります。後遺症が発生した場合には追加請求が可能ですが、等級ごとに上限があります。

(2) もし、相手方が自賠責に加入していない場合には、政府保障事業による保障を求める方法があります。ただ、手続きが煩雑であるとともに、給付まで時間を要する場合が多い点等に注意する必要があります。なお、自賠責未加入の場合、自動車損害賠償保障法違反により罰則もありますので、捜査機関にしかるべき捜査を行なって頂く必要があるでしょう。

(3) 自賠責では給付として不十分である、あるいは相手方が自賠責も未加入と言った場合において、被害者の方が任意保険会社と人身傷害保険契約や車両保険契約を締結している場合、特約に基づき被害者側任意保険会社に給付を求める方法が考えられます。早期かつ確実に給付を求める方法として、当該方法が選択されるケースも少なくありません。

(4) その他、車両の名義人(使用者)が第三者の場合(例えばレンタカー利用の事故のケース等)、一般論としては使用名義人に対し自賠責法上の運行供用者として責任を追及できる可能性があります(自賠責法3条1項本文)。ただし、①運行供用者該当性については個別の類型ごとに判断する必要があるとともに、②運行供用者に該当する場合であっても、使用名義人の任意保険の適用対象外となる可能性があるため、第三者の責任追及を行なう際は注意する必要があります。

コラムの内容は更新時のものであり、最新の情報と異なることがあります。

交通事故に強い弁護士

【堺市】南海本線堺駅すぐ

どんなお悩みでもお気軽にご相談ください。弁護士があなたのお悩みを解決します。

【吹田市】JR吹田駅中央口すぐ

依頼者のために最善を尽くしていきます

ページ
トップへ