弁護士コラム

長時間労働を是正する

[投稿日] 2017年01月24日 [最終更新日] 2017年01月24日

 長時間労働の実態を是正するため、これまで様々な施策が行われています。最近では、労働基準法が改正され、特に時間外労働割増率について、①1か月間の時間外労働時間が80時間を超える場合は50%以上に、②45時間を超えて80時間までの場合は25%超とする努力義務を使用者に課すこととなりました。
本来、労働者は、労働契約上、所定労働時間(1日8時間、週40時間)で労働する義務しかなく、法定労働時間を超える労働には割増賃金を請求する権利があります(労働基準法37条)。これに対し、使用者は、原則として実働8時間以内で仕事が処理できる人員配置をする義務があり、三六協定なしの時間外労働やサービス残業に対しては刑罰が科されます(同法119条、121条)。


 労働者が時間外労働の割増賃金を請求しようとすると、使用者は、「他の手当を支払っている」、「予算がない」、「仕事の能率が悪い」、「他の同僚はもらっていない」などと主張し、その支払を拒否してくることが往々にしてあります。しかし、これらの主張によって、割増賃金の不払という労働基準法違反が合法化するわけではありません。

 したがって、労働者は、使用者に対し、労働時間の管理を適正に実施させるとともに、「労働者が人たるに値する生活を営むための必要」(労働基準法1条)な賃金を請求するべきです。それとともに、人員増、不要不急の仕事の削減、時間外労働を強いられる職場状況の改善など長時間労働をなくすための措置を要求しましょう。また、「予算がない」というのであれば、労働者側で事業計画を分析し、その改善を提案しましょう。さらに、労働者側で労働時間の記録(手帳などによる記録や明示的な残業通告)やアンケートをとるなど職場の実態を把握し、必要に応じて使用者に実態調査をさせるとともに、労働基準監督署に労働基準法104条に基づく申告、場合によっては刑事告訴・告発を行っていきましょう。

 「仕方がない」とあきらめていては、健康で文化的な当たり前の生活が奪われたままです。また、過剰な仕事量やノルマの押しつけ、それによる長時間労働や賃金不払い残業は、労働者の身体と心の健康を害するだけでなく、ミスや事故を引き起こします。長時間労働を許さず、職場からサービス残業を一掃し、原則実働8時間以内で仕事を終わらせて、家族との夕食・団らん、趣味、スポーツ、学業、文化活動など人間らしい生活を取り戻すべきです。

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佐久間 大輔 弁護士

取扱分野
労働 不動産・建築 企業法務

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