弁護士コラム

採用内定をした労働者が出勤しない場合に損害賠償や懲戒・解雇できるか

[投稿日] 2017年10月12日 [最終更新日] 2017年10月12日
中途採用募集で採用内定を受けた労働者が、会社が指定した入社日になっても体調不良を理由に出勤せず、連絡も取れなくなった場合、その労働者が希望して会社が購入したパソコン代金や、入社日に合わせて予定していた業務に支障が出たことによる損害を、会社は請求することができるのでしょうか。
採用内定をした段階で、入社日を始期とする労働契約が成立しています。ですから、労働者は、労働契約の相手方である会社に対し、その財産を害しない信義則上の付随的な注意義務を負っているといえます。
労働者の一方的な都合により出勤せずに労働契約が解除されるのでしたら、労働者は、会社が約定どおり勤務を開始するものと信じて指定されたパソコンを購入したことによって蒙った損害の賠償責任を負うと考えられます。
これに対し、労働者が入社日に出勤するという前提で業務予定を組んだものの、出勤しなかったことにより外注に出さざるを得なくなって余分な費用が発生したといった場合、それは損害に当たり得ますが、本当に損害が発生しているのか、因果関係はあるのかを会社が立証しなければならないので、パソコン代金よりもハードルは高くなります。
それでは、その労働者を解雇することはできるのでしょうか。
まず、労働者に出勤命令を出し、これに応じなければ、無断欠勤や業務命令違反を理由に労働契約を解除(解雇)することになります。無断欠勤ではなく、体調不良による欠勤を続けた場合でも、その労働者に休職制度が適用されず、心身の故障により業務遂行に耐えないといった解雇事由が就業規則等に定められていれば、やはり解雇を検討することになります。
  なお、出勤しない理由が他社に雇用されているという場合、その労働者は2つの会社とも労働契約に基づく労務提供ができないのですから、契約解除(解雇)の事由となります。また、就業規則等により兼業を禁止しているのであれば、懲戒事由となります。
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佐久間 大輔 弁護士

取扱分野
労働 不動産・建築 企業法務

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