弁護士コラム

休業中の賃金は

[投稿日] 2018年02月26日 [最終更新日] 2018年02月26日
景気の悪化に伴う減産で、一時的に工場の操業を停止する企業が出てきています。臨時の休業日を設け、従業員を休ませるケースがありますが、その間の賃金は支払われるのでしょうか。
操業停止による休業は、労働者側は働く意思があって準備もできているのに、使用者側の都合で労務の提供ができなくなった状態です。労働者からすると、落ち度もないのに仕事に来なくていいと指示されるのですから、賃金を支払ってもらいたいと希望することは当然のことです。
民法では、使用者側に過失があって休業したような場合、労働者は賃金の全額を請求できます。単に景気が悪化したというだけでは、経営者としてはあらかじめ景気変動を予測して対応すべきなのであり、過失があるというべきでしょう。
しかし、親会社からのみ資材資金の供給を受けて事業を営む下請け工場において、経済情勢から親会社自体が経営難のため資材資金が供給されず、他からも獲得できなかったという事情が認められる場合などは、使用者側に過失があるとまでは認められず、賃金の全額を請求することはできないでしょう。
他方、労働基準法は、休業中の手当を賃金の6割以上支払わなければならないと定めています。つまり、労働者は、休業中の賃金を全額請求できなくても、最低6割の休業手当を請求できます。使用者は、少なくとも6割の休業手当を支払うことが罰則をもって強制されているのです。先の例でも、休業手当の請求はできます。
とはいえ、賃金が4割もカットされれば、労働者は生活が脅かされます。使用者としては、労働者の不利益が大きくならないようにすべきでしょう。
また、景気が悪化して新規採用の内定者の入社予定日を後にずらされたというような場合にも、6割以上の休業手当を支払ってもらうことができます。
  休業中にアルバイトを認める会社も出てきました。しかし、就業規則で副業が禁じられているのにアルバイトをすると、処分の対象になる可能性があるので注意してください。
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佐久間 大輔 弁護士

取扱分野
労働 企業法務 不動産・建築

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