弁護士コラム

保険外交員は労働者か個人事業者か

[投稿日] 2018年02月26日 [最終更新日] 2018年02月26日
保険外交員は、営業の仕方は自由ですが、仕事にかかる通信費や交通費は自前、残業代もなく、さらに販売目標額があり、朝礼の参加も義務づけられ、遅刻や欠勤は給与から引かれるのに、「自営業」扱いされることが多いです。保険外交員は、宅配便の配達員や、手間請け大工などと並んで、「労働者」なのか「個人事業者」なのか、その身分が過去にも争点となった職業です。
労働基準法上の労働者は、雇い主の指揮監督を受けて労務を提供し、それに対して雇い主から賃金をもらう者です。該当すると労働基準法や労災保険法などが適用され、時間外労働の制限などの保護を受けられ、労働保険や社会保険にも加入できますが、個人事業者には同様の法的保護がありません。このため、労働・社会保険料や消費税の負担を免れたい企業が、働かせる者に対し、実質は労働者なのに、個人事業者扱いをする問題も広がっています。
保険外交員が労働者であるのかどうかは、契約の形式にかかわらず、働いている実態に応じてケースバイケースで判断します。
労働基準法上の「労働者性」についての判断基準は、一般的に、①仕事の依頼を断れない、②仕事内容や方法について指揮命令を受ける、③勤務時間が決まっている、④仕事を代わりの人に頼めない、⑤機材が会社の負担、⑥報酬は固定給部分が大きく、他の社員よりも高額でない、⑦他社の仕事をすることを制約されている、などです。販売目標額や朝礼、遅刻欠勤などの扱いは、労働者性を肯定する方向に働きますが、ほかの要素も考慮して、総合的に判断されることになります。
過去には、映画制作中に過労死したフリーカメラマンについて、監督の指示に従い撮影している、報酬は働いた期間を基準に算定されている、時間や場所の拘束性が高い、ほかの人が仕事を代われない、機材は大半が依頼主のもの、などのことから、労働者性を認めた裁判例があります。
つまこい法律事務所 〒101-0021 東京都千代田区外神田6-16-9 ICOPビル7階 平日9:00-18:30
Resized avatar avatar lawyerprofile 25501 1480468117

佐久間 大輔 弁護士

取扱分野
労働 企業法務 不動産・建築

コラムの内容は更新時のものであり、最新の情報と異なることがあります。