弁護士コラム

出張中、研修・行事参加中のケガは労災となるか

[投稿日] 2018年02月26日 [最終更新日] 2018年02月26日
 労働者が業務を遂行する過程で、ケガをしたり、病気や障害になったりしたときは、労災保険制度が適用されます。  このときに問題になるのが、ケガをしたのが「業務上」であったかという点です。出張先でケガをしたときはどうかというと、厚生労働省の解釈では、移動時間や宿泊中も含めた出張の全日程を業務の遂行と認めています。  しかし、そもそも業務として出張が命じられていないなど、会社の指示で出張したとは言いがたいときは業務の範囲外と判断されることがあります。また、ホテルにチェックインした後に私用の飲食で外出し、ケガをしたときなどは業務の範囲外とみなされます。  研修や研究会、社内運動会に参加した場合はどうでしょうか。たとえば、あるガソリンスタンドの店員が元売りの石油会社主催のソフトボール大会参加中にケガをし、労災認定をめぐり労働保険審査会に不服申立をしました。審査会の裁決は「事実上、会社からの指揮命令があった」、「時間に相応する給与が支払われていた」ことなどから、「業務上」と認めました(1978年)。  これに対し、名古屋空港での中華航空機墜落事故で、会社の研修旅行に参加した社員が死亡したケースでは、裁判所は、旅行の主たる目的は「観光と慰安であった」として、旅行への参加は「業務」とは認めらせんでした(2001年)。  出張はともかく、社内行事などは「業務」であるかどうかが争点になります。会社の旅行や研修などの行事は労務管理上、必要かつ有益であるから行われているのであり、業務として広く認められるべきだと思います。
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佐久間 大輔 弁護士

取扱分野
労働 企業法務 不動産・建築

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