弁護士コラム

喫煙する社員の配置転換を要求できるか

[投稿日] 2018年02月26日 [最終更新日] 2018年02月26日
事務所内は禁煙であるものの、席が喫煙者で、スーツにまで染みこんだ煙のにおいで気分が悪くなるといった場合、喫煙の社員を配置転換させてほしいと要求できるでしょうか。
健康増進法25条などの趣旨を踏まえて、受動喫煙の防止が、会社が果たすべき安全配慮義務にあたるという裁判例があります。喫煙コーナーが屋外にあるのでしたら、分煙対策は講じられていることになります。
しかし、煙草の煙が服に付いていたり、息に含まれていたりすることにより、受動喫煙をすることは否定できません。気分が悪くなるという訴えも、特殊とまではいえないでしょう。
こんなとき、喫煙者本人と直接話し合うのではなく、会社のしかるべき上司や窓口に相談しましょう。
会社側は、安全配慮義務を果たすため、労使で職場環境の問題を話し合う衛生委員会を活用し、喫煙者が職場に戻った際に残った煙草の煙で健康被害が起きないようにする措置を検討するとよいでしょう。たとえば、喫煙するときには屋外用の上着を着用する、なるべく風上で喫煙して自分自身が煙を浴びないようにする、喫煙後はうがいをする、などが考えられます。
こうした対策をしても、なお煙のにおいがひどいということであれば、会社側はどちらかの配置転換を検討することも考えられます。
就業規則で配置転換について定められており、その実態があり、業務上の必要性があれば、本人の同意なしでも配置転換を命令できる場合があります。会社が喫煙者を異動させることはできますが、被害を訴えた社員を異動させることもできます。
まず、被害を訴える側としては、会社には受動喫煙防止対策をとるように求め、それでも自分を配置転換するというのであれば、その理由を十分に説明してもらいましょう。会社には喫煙者を異動させるよう要求することも考えられますが、会社にはその義務まではありません。
当然ながら、喫煙者を移動させる場合も会社側はその理由を十分に説明すべきです。職場内で意思疎通を円滑にして、認識に齟齬が生じないようにすることが、トラブルを防ぐことになります。
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佐久間 大輔 弁護士

取扱分野
労働 企業法務 不動産・建築

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