弁護士コラム

転勤なしの条件で入社したのに転勤命令が出た

[投稿日] 2018年02月26日 [最終更新日] 2018年02月26日
入社した時点で本社が名古屋にあり、求人票に「転勤なし」と記載されており、採用面接時に転勤できないと答えていたのに、他社との合併により本社が東京になったことを理由に、名古屋から東京への転勤を命じられた場合、この業務命令に従わなければならないのでしょうか。
  勤務地限定の労働契約が成立していたと認められるのであれば、労働者の個別同意がなければ、会社は転勤を命じることはできません。ただし、勤務地限定の合意が成立していたとしても、合併後は就業規則に転勤を含めた配置転換に関する定めがあり、実際に転勤が行われていたのであれば、勤務地限定合意が変更されたと認められることがあります。
この場合、労働者の個別同意がなくても、会社は配転命令権を有するということになります。
  しかし、会社が配転命令権を有していたとしても、業務上の必要性が存しない場合、配転命令が他の不当な動機・目的をもってなされたとき、労働者に対し通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせるときなどの特段の事情があれば、その行使が権利の濫用になります。
  例えば、身体的な理由により転勤ができず、労働者の不利益が著しいのであれば、会社の転勤命令は権利濫用として無効となる可能性があります。
ただし、転勤命令に従わないと業務命令違反を理由に懲戒解雇されることがありますので、異議を述べて転勤命令に従った上で、その効力を争う方が無難です。
つまこい法律事務所 〒101-0021 東京都千代田区外神田6-16-9 ICOPビル7階 平日9:00-18:30
Resized avatar avatar lawyerprofile 25501 1480468117

佐久間 大輔 弁護士

取扱分野
労働 企業法務 不動産・建築

コラムの内容は更新時のものであり、最新の情報と異なることがあります。