弁護士コラム

労働者に不利益な就業規則の変更は有効か?

[投稿日] 2018年02月26日 [最終更新日] 2018年02月26日
会社が就業規則を変更して、土日の週休2日制をやめて土曜日を出勤日とし、特定の曜日の労働時間を削減したり、休憩時間を増やしたりするものの、週の所定労働時間や拘束時間を変更しないという場合、就業規則の変更は有効となるのでしょうか。
労働契約法は、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の事情に照らして不合理なものであるときは、変更の効力を有しないと定めています。
週休が2日から1日に減少すること、休憩時間の増加により1週間の拘束時間が増加すること、それに伴い残業代も減少するというのであれば、労働者に不利益があるといえます。
土曜日も出勤日とするとの業務上の必要性が不明であり、会社の意図が残業代の減少にあるのであれば、就業規則の変更の必要性はありません。
また、週休2日制が普及している現在、1週間の拘束時間を増加させて土曜日も出勤日とすることは社会的に相当であるとはいえません。
このように必要性がなく、相当でもない就業規則の変更により、残業代も減少するのであれば、労働者の不利益の程度は大きいといえます。
しかも、使用者が一方的に就業規則を変更し、その必要性を十分に説明せず、不利益を緩和する措置も講じないのであれば、変更は無効となる可能性があります。
就業規則の変更が無効になると、従前の勤務形態で就労すればよくなります。
ただ、無効かどうかは裁判所が判断することなので、変更後の勤務形態に従わないと、業務命令違反により懲戒解雇されることがあります。
もちろんこの場合の懲戒解雇は無効となりますが、労働者は裁判で争わなければならないという負担があります。
そのため、いったんは変更後の勤務形態で就労し、就業規則の変更の効力を裁判で争う方が無難です。
これとは別に、人員不足により長くなった休憩を取ることができず、休憩中にも労働するのが実態であり、実際に残業をしたのであれば、残業代が発生することは当然です。
むしろ休憩を長くすることにより残業代が増加するのであれば、これも裁判で請求できますので、就業規則の変更理由が残業代の減少にあるのであれば、逆効果となります。
このような紛争になるおそれがあることを使用者に説明し、就業規則の変更は使用者にとってもメリットがないことを理解させて、変更を撤回させた方がよいでしょう。
 
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佐久間 大輔 弁護士

取扱分野
労働 企業法務 不動産・建築

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