弁護士コラム

営業していない祝日を年休扱いにされてしまった

[投稿日] 2018年02月26日 [最終更新日] 2018年02月26日

そもそも祝日は営業していないのに、入社する際、社長より「4週8休なので、祝日は年休を消化してもらう」と言われ、実際に勤続6か月が経過する前から給与明細に年休が消化されたと扱われている場合、法的に有効なのでしょうか。

使用者は、雇入れの日から起算して6か月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に対して10日の年次有給休暇を与えなければなりません。
そうすると、雇用されてから6か月間が経過していなければ、そもそも年休権が発生していないので、使用者が雇用後6か月以内に年休を付与することはできません。

また、使用者は労働者の請求する時季に年休を与えなければなりません。
最高裁判例は、年休の権利は法律上当然に労働者に生ずる権利であって、労働者が具体的な始期と終期を特定したとき(時季指定権)は、使用者の承認なしに年休が成立すると判断しています。
そうであれば、上記の年休発生要件を満たしたときに、労働者は年休権を取得し、時季指定権を行使したときに初めて年休が成立することになります。
したがって、祝日が所定労働日でも、その日に時季指定権を行使しなければ祝日について年休が成立したとはいえません。

年次有給休暇に関する労働基準法の規定に違反すると、社長は6か月以下の懲役または30万円以下の罰金、会社は罰金に処せられます。

それでは、所定労働日である祝日に勤務しなかったことから、使用者は賃金カットができるかというと、それは認められません。
そもそも営業していないのであれば、使用者が労務の受領を拒絶したことになり、労働者には賃金が発生するといえます。
仮に100%の賃金が認められないとしても、使用者は、労働基準法に基づき、平均賃金の60%以上の休業手当を支払う義務があります。
賃金または休業手当を支払わないと、社長は30万円以下の罰金、会社は罰金に処せられます。

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佐久間 大輔 弁護士

取扱分野
労働 不動産・建築 企業法務

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