弁護士コラム

精神障害・過労自殺の認定基準の内容

[投稿日] 2018年02月28日 [最終更新日] 2018年02月28日
業務が原因といえるかどうかを判断するため、厚生労働省は、2011年12月26日に認定基準を策定しました。
精神障害の業務起因性を判断するにあたっては、業務による心理的負荷の有無や程度を判断します。まず発病の原因となった個々の出来事の心理的負荷の強度を、「業務による心理的負荷評価表」の「平均的な心理的負荷の強度」をもとに3段階(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ)で測ります。そして、出来事の内容や程度、出来事後の状況などを考慮して、心理的負荷評価の総合評価が「強」と認められれば、原則として業務起因性が肯定されます。
問題は、まず出来事ごとにストレスを測るため、出来事の関連性や時間的な近接性がない限り、原則として、強度Ⅰ、Ⅱの出来事がいくつ集まっても、強度Ⅱ、Ⅲとは評価されない点です。日常業務で日々生じる混乱や心の落ち込みが慢性ストレスとなり、精神障害を発病する場合がありますが、この積み重ねが評価されません。そもそも職場でのストレスがすべて心理的負荷評価表の項目にきちんとあてはまるとは限りません。
また、発病後の出来事は原則として考慮されないため、特別な出来事がなければ、精神障害を発病したことにより、仕事の効率が下がるなどして、さらに長時間労働になって自殺した場合に、労災認定されない可能性もあります。
このように認定基準は、さまざまなストレスや要因を総合判断するとしながら、実際には細分化するため、本人の置かれた精神的な状況が必ずしも適切に反映されるとはいえません。
 
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佐久間 大輔 弁護士

取扱分野
労働 企業法務 不動産・建築

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