弁護士コラム

新型コロナウイルスによる退職勧奨、解雇への対応

[投稿日] 2020年05月28日 [最終更新日] 2020年05月28日

「さよならブラック企業」(ヤングキング)の監修にあたり、コラム「正しい働き方のススメ」を書かせていただくことになりました。

こちらでもご紹介しますので、よろしければ読んでみてください。

 

 

新型コロナウイルスにより、健康面ばかりでなく、経済面でも深刻な影響が出ていますが、皆さんお元気でしょうか。

今回も、前回に引き続き、新型コロナ関連の労働問題について説明します。

今はそこまで困っていない方は、さらっと読み頭の片隅に置いておいて下さい。今困っている方は、一人で悩まずに、行政や弁護士等専門家に相談して下さい。

この困難な状況を、しぶとく、たくましく、共に乗り越えていけますように!

 

 

Q. 勤め先から「新型コロナウイルスの影響で経営が苦しいので、クビにする」と言われました。どうしたらよいのでしょうか。

 

A.

前提として、会社と労働者の雇用契約を終了させるには、以下の3パターンがあります。

① 解雇(会社から一方的に雇用契約を終了する)

② 退職(従業員から一方的に雇用契約を終了する)

③ 合意退職(会社と従業員の合意で雇用契約を終了する)

 

「クビにする」とは、法的には「解雇する」という意味です。

ここで、ぜひ皆さんに知っておいていただきたいのは、一般論として、「会社はそう簡単には従業員を解雇することはできない」ということです。

 

例えば、経営が苦しいことを理由に解雇する(整理解雇)の場合、以下の4つの要件を満たさないといけません。

① 人員削減の必要性があること

② 解雇を回避するための努力が尽くされていること

③ 解雇される者の選定基準及び選定が合理的であること

④ 事前に使用者が解雇される者へ説明・協議を尽くしていること

 

この4要件を満たさない限り、会社は従業員を整理解雇することはできないのです。
「何かおかしいな」と思ったら、弁護士に相談しましょう。

 

 

Q. 勤め先から、「新型コロナウイルスの影響で経営が苦しいので、辞めてくれないか」と言われました。どうしたらよいでしょうか。

 

A.

先ほどのQで質問したように、一般論として、会社はそう簡単には従業員を解雇することはできません。

それでは会社として従業員の人数を減らしたい場合にどうするかといえば、従業員に自分から辞めてもらう(先ほど説明した3つのパターンのうち「退職」又は「合意退職」)ように持ち掛けるのです。これを「退職勧奨」といいます。

 

大前提として、退職勧奨をされた場合、従業員はこれを受け入れて辞める義務はありません。

退職したくなければ、きっぱりと断りましょう。

「退職届(願)」を出したり、「退職合意書」等の書面にサインをしてはいけません。

社長や上司が恫喝等して退職を迫る場合には、スマートフォンの録音機能などを使ってその様子を録音しましょう。

どうしても会社からの退職のプレッシャーに抗えない場合は、弁護士に相談しましょう。

 

また、退職すること自体はやむを得ないと考える場合も、退職金の支払いや増額等を交渉しましょう。また、失業保険の受給の関係で、離職票の離職事由は「会社都合」としてもらいましょう。

 

繰り返しになりますが、一般論として、会社はそう簡単に従業員を辞めさせることはできません。

もし退職勧奨を受けた場合も、今後の自分や家族の生活のために必要があるのであれば、きちんと会社と交渉しましょう。

「権利の上に眠る者は保護されない」という法の格言がありますが、自分の権利を守れるのは自分だけです。

一人では交渉ができない場合には、弁護士に相談して下さいね。

 

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小澤 亜季子 弁護士

取扱分野
労働 借金・債務整理 離婚・男女

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