弁護士コラム

新型コロナウイルスによる勤務先の倒産、休業、退職に関する対応

[投稿日] 2020年05月27日 [最終更新日] 2020年05月27日

「さよならブラック企業」(ヤングキング)の監修にあたり、コラム「正しい働き方のススメ」を書かせていただくことになりました。

このブログでもご紹介しますので、よろしければ読んでみてください。

 

 

新型コロナウイルスの影響が深刻化していますが、皆さんお元気でしょうか。

今回は、新型コロナ関連の労働問題等について説明します。(なお、本原稿執筆時点(2020年4月10日)以降に制度変更の可能性もありますので、注意して下さい。)

 

今はそこまで困っていない方は、さらっと読み頭の片隅に置いておいて下さい。

今困っている方は、一人で悩まずに、行政や弁護士等専門家に相談して下さい。

 

この困難な状況を、しぶとく、たくましく、共に乗り越えていけますように!

 

 

Q. 新型コロナウイルスの影響で、勤め先が倒産しました。明日からの生活費をどうしたらよいのでしょうか。

 

A.

①「解雇予告手当」

解雇日の30日以上前に予告せず解雇を行なう場合、「解雇予告手当」を払わなければなりません。例えば、解雇日の当日に解雇を言い渡した場合、平均賃金(1日分)の30日分の解雇予告手当を払わなければいけません。まずは会社がこの「解雇予告手当」を払えるのか確認しましょう。

→問合先:会社/破産管財人

 

②「未払賃金立替払制度」

未払給与や退職金があるものの、会社が払えない場合、未払賃金の立替払請求をしましょう。全額ではなく(8割まで、但し上限有)、また支払われるまでに少し時間はかかりますが、労働者健康福祉機構が会社に替わって未払賃金を払ってくれます。

→問合先:会社/破産管財人

 

③「失業保険(会社都合)」

失業保険を受け取るために、会社に、会社都合退職の離職票を作成してもらい、失業保険の受給手続をしましょう。

→問合先:会社/顧問社会保険労務士/破産管財人

 

④「住宅確保給付金」

家賃が払えない場合、収入や資産等一定の要件はありますが、「住宅確保給付金」という制度があります。その他にも公的な貸付制度や生活保護の制度もあります。一度行政に相談してみてください。なお、住宅確保給付金については、2020年4月20日以降、休業等により収入が減少し離職等と同程度の状況にある方も対象になります。

→問合先:各自治体の生活困窮者自立支援相談窓口

 

 

Q. 新型コロナウイルスの影響で、勤め先の居酒屋の客足が遠のき、当面の間店を閉めることになりました。店長から休業の間の給料は払えないと言われました。どうしたらよいでしょうか。

 

A.

使用者の不可抗力によら「ない」休業の場合、休業手当(平均賃金の60%以上)の支払が必要です。他方、不可抗力によ「る」休業であれば、休業手当の支払は不要になります。

この「不可抗力か否か」については、個別事情を考慮して判断します。例えば、業務の性質上、在宅勤務が可能であれば、不可抗力によらないと判断され、休業手当の支払が必要になる可能性があります。

もし会社が休業手当(60%)を払わない場合、従業員は、解雇されたわけではないので、解雇予告手当も失業保険ももらえません。だからといって、自主的に退職してしまうと、自己都合退職となり、失業保険の受給までに3か月の給付制限期間が生じます。

従業員としては、まずは会社とよく話し合い、休業手当を支払うようお願いしましょう。また、必要に応じて弁護士等に相談しましょう。

 

 

Q. ドラッグストアで働いています。毎日毎日お客さんから「マスクはないのか」等と怒鳴られ、もう限界です。店長に退職したいと言いましたが、「この大変な時期に自分勝手なこと言わないでくれ」と逆に怒られました。もうどうしたらいいかわかりません。

 

A.

雇い主には、職場環境を整える義務があります。例えば、他の従業員の方と一緒に、もう一度、店長に相談してみるのもいいかもしれません。

それでも状況が改善されず、辞めたいという場合には、例えば、正社員であれば、2週間前に申し入れることで退職することが可能です。

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小澤 亜季子 弁護士

取扱分野
労働 借金・債務整理 離婚・男女

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