弁護士コラム

婚姻費用と養育費

[投稿日] 2019年10月29日 [最終更新日] 2019年10月29日
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小澤 亜季子 弁護士 センチュリー法律事務所

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<ご相談内容>

現在別居中ですが、離婚するまでの間、婚姻費用と子供の養育費を払わな

ければならないと聞きました。婚姻費用と養育費の内容と算定方法を教え

てください。養育費の支払いをしなと、給料を無制限に差し押さえられた

りするのでしょうか?

 

~本件のポイント~

1 離婚が成立するまでの間は、婚姻費用(子の養育費を含む)を支払わなければなりません。

2 離婚成立後も、養育費は支払わなければなりません。

3 婚姻費用と養育費の算定には、実務上、東京・大阪養育費等研究会が作成した算定表が用いられています。

4 養育費の支払いをしないと、強制執行を受ける可能性があります。

 

<弁護士の回答>

1 婚姻費用の内容

  民法第760条によると、夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担することとされています。この婚姻から生ずる費用すなわち「婚姻費用」とは、夫婦が家庭生活を営む上で必要な費用であり、その財産・収入・社会的地位に相応した通常の生活費用を意味します。具体的には、夫婦の衣食住、教養娯楽、子の養育費などをいいます(二宮周平『家族法』68頁(新世社、第5版、2019年)。

夫婦の一方が、婚姻費用の分担義務を果たさない場合、他方は、婚姻費用の分担請求をすることができます。

また、別居していたとしても、婚姻費用の分担義務は生じます。

 

2 養育費の内容

  離婚が成立しても、子の親であることに変わりはありませんので、子を監護していない親にも子を扶養する義務があります(民法第877条)。この扶養義務に基づき、子と同居する親から他方の親に対して、養育費の請求をすることができます。

  

3 養育費・婚姻費用の算定方法

養育費・婚姻費用の具体的な金額については、まずは、夫婦(元夫婦)で協議をして決めます。協議がまとまらない場合には、夫婦(元夫婦)の一方が、他方に対して、養育費・婚姻費用の請求の調停ないし審判を申立て、その中で決することになります。

養育費・婚姻費用の算定には、実務上、東京・大阪養育費等研究会「簡易迅速な養育費等の算定を目指して-養育費・婚姻費用の算定方式と算定表の提案-」(判例タイムズ1111号(2003)285頁~315頁)記載の基準(以下「現算定表」といいます。)が用いられています(注1)。

現算定表に基づく具体的な金額については、簡易的なグラフが公表されており、養育費/婚姻費用の別、子の人数・年齢、義務者の年収、権利者の年収によって、養育費の金額がわかるようになっています。例えば、1歳の子が1人で、義務者の年収(給与所得)が600万円、権利者の年収(給与所得)が100万円の場合、養育費は月額4~6万円です。

この簡易的なグラフのみでは養育費・婚姻費用の金額が算出できない場合には、個別的に修正を加えて、具体的な金額を算出します。

 

4 養育費・婚姻費用の支払いをしない場合にどうなるか

  養育費・婚姻費用を、公正証書、調停書、審判書、判決で決めた場合には、強制執行をすることができます。この場合、①間接強制による強制執行も可能とされ(民事執行法第167条の15)、②確定期限到来前の差押えも認められ(民事執行法第151条の2)、③差押禁止の範囲が縮小されます(民事執行法第151条の2・第152条③)。

③差押禁止範囲の縮小についてご説明しますと、通常、給料債権はその「4分の3」に相当する部分を差し押さえてはいけませんが(民事執行法第152条第1項及び第2項)、養育費・婚姻費用の場合、その差押禁止の範囲が「2分の1」まで減縮されています(民事執行法第152条第3項)。この結果、具体的には、養育費・婚姻費用を請求債権として給与を差押さえられた場合、月給の額(所得税、住民税、社会保険料を控除した残額)が、66万円以下の場合はその2分の1相当額まで、66万円を超える場合は、その額から33万円を差し引いた額まで差し押さえることができます。

なお、仮に養育費・婚姻費用を、公正証書、調停書、審判書、判決で決めていない場合には、公正証書の作成や、調停・審判・訴訟等の手続きを踏まえ、上記の通り強制執行をすることができます。
 

(注1)なお、この「現算定表」に対しては、日本弁護士連合会より問題点が指摘されており、2016年11月に「養育費・婚姻費用の新しい簡易な算定方式・算定表に関する提言」として新しい算定方法(以下「新算定表」といいます。)も公表されています。

小澤 亜季子 弁護士

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労働 借金・債務整理 離婚・男女
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