弁護士コラム

整骨院・接骨院の施術費を相手方に請求できる範囲とは?

[投稿日] 2017年11月21日 [最終更新日] 2017年11月21日

交通事故によって怪我を負った場合に,

整形外科に通院してもなかなかよくならないとして,整骨院や接骨院に通いたいという場合があります。

柔道整復(接骨院,整骨院)の施術費の請求はどのような場合に認められるのでしょうか?

 

一般的な基準としては,いわゆる「赤い本」という基準には,

「症状により有効かつ相当な場合,ことに医師の指示がある場合などは認められる傾向がある」

(民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準2017上巻3頁)と書かれています。

 

ですから,まずは整形外科の医師から,具体的な処方(施術部位や,施術内容の具体的記載があるもの)が有る場合は比較的認定されやすいと思われます。

これとはちがい,診察の際に「整骨院に通いたい」と患者側から申し出て,医師から同意してもらったとか,別にだめとは言われなかった,というような場合(そもそもそのような発言があったかどうかも,カルテなどに記載されない限り確認ができません)に,それでは医師の指示ないし許可があったとはいえないのではないか,と後で問題になる可能性があります。

 

また,柔道整復師は医師ではないので,医師の診察を受けないままでいきなり整骨院・接骨院に通っている場合や,

整形外科にはほとんど通院していないのに,整骨院・接骨院ばかり高頻度で通院しているような場合

何ヶ月たっても通院頻度が減っていない場合

などには,症状に「有効かつ相当」とはいえないのではないか(治療の効果が現れていないのではないか)と問題になる可能性があります。

 

近年では整骨院・接骨院の増加に伴い,慰謝料増額のために頻回通院を柔道整復師側が助言するような場合や,

ひどいケースでは実態のない施術費の請求を行って刑事事件に発展するような事例もあるように聞きます。

 

実際に,東洋医学の施術費については必要性・相当性が否認された裁判例もあります(東京地裁八王子支部平成20年7月18日判決交民41巻4号916頁など)。

その場合には,相手方への請求が認められず,自分の負担となってしまいますので,

まずは整形外科の診断を受け,その上で保険会社や弁護士などとも相談しながら判断していく必要があるでしょう。

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新田 真之介 弁護士

取扱分野
交通事故

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