弁護士コラム

高速道路上での交通事故は一般道路の事故と法律上何かちがいますか?

[投稿日] 2017年12月30日 [最終更新日] 2017年12月30日

Q  高速道路上での多重衝突事故に巻き込まれました。一般道路での事故と何か違いがありますか?

 

A  一般道路での事故と、高速道路での事故では、交通損害賠償実務上、さまざまな局面でちがいがあります。

 今回は特に、過失割合の点を取り上げます。

 

1  単なる「追突」でも過失割合がちがう!

 

 一般道路では、例えば停車中の車両に他の車両が追突した場合、原則追突した側が100%責任を負うことになります(ただし夜間や駐車禁止場所などは修正)。これは、一般道路では駐停車が原則禁止されておらず、駐停車車両もいることを想定して運転することが前提であるからと言われています。

 一方、高速道路では走行車線の駐停車は原則禁止されており(道交法75の8①)、駐停車すること自体が危険な行為であるという理由から、一般道路の場合より被追突車の過失を大きく評価することになります(別冊判例タイムズ38号479頁他)。

 

2  複数台が絡む「多重衝突」で注意すること

 

 高速道路では、一般道路よりも高速度で走行していることもあり、事故も複数台が絡む「多重衝突」事故になる場合も少なくありません。

 多重衝突の中にも、①前方ですでに追突事故が発生した直後に、後続車がさらに追突する「順次追突」の場合と、②前方ではぶつからずに停車したが、後続車が追突してそれにより押し出された車両がさらに前の車両に衝突する「玉突き追突」の場合とがあり、さらに派生してさまざまなバリエーションがあります。

 「玉突き追突」か、「順次追突」かはそのいずれかによって各車両の責任が変わってくることもあり、民事訴訟でも激しく争われることもあります。

 事故状況の認定や過失割合の判断においては、各車両の損傷状況のほか、各運転者や同乗者の証言(供述)、道路状況(形状)、ドライブレコーダー映像、事故直後の各車両の停車位置を撮影した携帯カメラ画像など、さまざまな証拠が判断材料になる可能性がありますが、ここでも一般道路とちがい、後から徒歩で立ち入って現場調査をすることが難しいという制約もあります。最近ではグーグルストリートビューで高速道路上の画像も確認することができるため、事故状況の確認に役立つこともあります。

 

3  まとめ

 高速道路上の事故では、上に挙げたもの意外にもさまざまな違いがあり、事件全体を見据えて戦略を立てられるかどうかが重要になります。

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新田 真之介 弁護士

取扱分野
交通事故

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