弁護士コラム

交通事故が映ったドライブレコーダーや防犯ビデオ映像の開示請求を受けた第三者(店舗担当者等)の方へ

[投稿日] 2018年02月06日 [最終更新日] 2018年02月07日

先日,NHK「クローズアップ現代」で,ドライブレコーダーの特集がありました。

2018年1月29日(月)
“ドラレコ”革命 ~危険な運転を炙り出せ~

http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4092/index.html

 

事故当事者車両のドライブレコーダーはもちろんですが、事故現場にたまたま居合わせた第三者車両に写ったドライブレコーダーや、現場付近の店舗駐車場などに設置された防犯カメラに映った映像も,事故状況の解明(真実発見)のために非常に重要な手がかかりとなります。

 

会社によっては,しばしば「警察以外には開示不可」という回答拒否をされてしまうことがまれにあります。

「警察はOKだけど,それ以外に開示すると「個人情報漏洩」でコンプライアンスの問題になる」というのは果たして本当でしょうか?

そもそも警察は人身事故の場合しか捜査を行いませんので,物損事故(過失の器物損壊は刑法上不可罰)の場合は受付以外はほとんど何もしません。あくまで物損は民事の話となりますので,「警察からもらってください」というのはできないということになります。

 

店舗担当の方には,各制度の趣旨をよくご理解いただき,真実解明のためにご協力いただきますようお願いいたします。

 

1 交通事故映像の保管・開示にご協力ください

 交通事故が発生した場合,後日,弁護士などから映像(防犯ビデオ・ドライブレコーダー)について照会(開示依頼)が届く場合があります。

 

2 個人情報を含む内容を回答しても大丈夫です

個人情報保護法23条1項は,本人の同意がなくても第三者に情報を提供できる場合に「法令に基づく場合」(1号)を上げており,弁護士会照会にこれにあたりますので,本人の同意なしで,個人情報を含む回答をすることができます。法令上,事故映像の開示が可能なものとしては,①弁護士会照会(弁護士法23条の2)[1],②証拠保全(民事訴訟法234条),③文書送付嘱託(同226条),④文書提出命令(同221条)などの定めがあります。今回ご案内する弁護士会照会制度も警察や裁判所などの手続と同じ「法令上の根拠がある場合」にあたります。

 

3 弁護士会照会に対しては,原則回答義務があります

 弁護士会照会は,法律で規定されている制度ですので,照会に必要性・相当性が欠けているような場合を除き,原則として回答する義務があります。必要性・相当性については弁護士会の審査があり,審査を通過したもののみが照会が行われるしくみになっています。

 

4 まとめ(開示手続まで保存をお願いします)

 法令上の手続をふむには,適正な審査などのためどれも数週間~数ヶ月の日数を要してしまいます。保存期限との関係で,後日手続書面が届く予定との連絡があった場合には,お手数ですが消去されないよう別媒体へのコピー保存をお願いします。

 交通事故紛争の円滑な解決のため,ご協力をお願いいたします。

 さらに詳しく知りたい方は,日本弁護士連合会『弁護士会から照会を受けた皆さまへ』をご覧ください。 

https://www.nichibenren.or.jp/activity/improvement/shokai/what.html

 

[1]第二三条の二(報告の請求) 

1 弁護士は、受任している事件について、所属弁護士会に対し、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることを申し出ることができる。申出があつた場合において、当該弁護士会は、その申出が適当でないと認めるときは、これを拒絶することができる。

2 弁護士会は、前項の規定による申出に基き、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。

 

新田・天野法律事務所 〒103-0014 東京都中央区日本橋蛎殻町1-12-6 KSビル6階
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新田 真之介 弁護士

取扱分野
交通事故

コラムの内容は更新時のものであり、最新の情報と異なることがあります。

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