弁護士コラム

(よくある相談)「交通事故で自分の保険を使ったことによる保険料値上がり部分も相手方に請求したい!」

[投稿日] 2018年05月10日 [最終更新日] 2018年05月10日

Q  交通事故にあい、車両が故障したので、ひとまず自分の車両保険を使って修理をしました。保険を使ったため等級が下がり、翌年からの保険料が上がります。保険料値上がり部分についても損害として請求できますか?

 

弁護士の新田真之介です。交通事故を専門にしています。

今回の質問も非常に多い相談の1つです。

「事故がなければ保険を使うこともなく、そのせいで等級が下がったのだから、保険料の差額も損害として請求したい。」

というお気持ちはすごくよくわかりますが、

残念ながら多くの裁判例は、保険料値上がり部分についての請求を認めていません名古屋地裁平成23年9月30日判決、東京地裁平成13年12月26日判決など)。

 

その理由として上記裁判例は、

車両保険を使用するか否かは原告が自由に選択できること

をあげています。

 

すなわち、

自身が加入する車両保険を使用して早期の被害回復を図るのか、それとも相手方から適正な損害賠償金を得て被害回復を図るかは自身の選択の問題であって、保険を使用することを選択した結果、保険料が増額したとしても賠償すべき損害とは認められない

と言うことです。

 

なお、保険会社から車両保険金を受け取った後は、その請求権を保険会社に移り、保険会社から相手方に対して請求がなされることになりますから、相手方が別段得をする(経済的負担を免れる)わけではありません(これを「求償」とよびます)。

 

まとめますと,

先に車両保険を受け取って相手の資力等の回収リスクから免れる(ただし保険料は上がる)のが良いか,

あくまで相手方から回収を狙って自己の車両保険は使わない(ただし相手方から回収できるか未確定というリスクは残る)のが良いか,

双方を比較しながら判断していくことになります。

新田・天野法律事務所 〒103-0014 東京都中央区日本橋蛎殻町1-12-6 KSビル6階
Resized avatar mini magick20171121 20539 dh0emu

新田 真之介 弁護士

取扱分野
交通事故

コラムの内容は更新時のものであり、最新の情報と異なることがあります。

Go To Top Html