今回は高校生の家出について詳しく解説します。
高校生はほとんど大人で、一人でも正しい判断と行動がとれると考え
「家出は一時的なものだ」
「警察に頼るほどのことでもない」
と思ってしまうのではないでしょうか。
しかし、高校生の家出や失踪は犯罪などに巻き込まれる危険性が高いほか、事故などでケガをする可能性もあるのです。
居なくなってしまった高校生を元気な状態で見つけるには、早い段階で捜索を開始できるかどうかにかかっています。
高校生の家出について私達がリサーチした内容を元に、この記事で対処方法を紹介します。
目次
家出人の20%が10代で最も多い
警察の資料によると、平成28年度に提出された行方不明届けの数は全国で8万5千件以上です。
年齢別で見ると以下のような数字になっており、10代の家出が最も多いことが分かります。
- 10代・・・20%
- 20代・・・18%
- 30代・・・12%
- 40代・・・10%
このように、行方不明者で最も多いのが10代の若者であり、その数は年間で1万8千人以上にものぼるのです。
高校生は精神的に敏感になる時期なので、学校でうまくいかなかったり家庭に不満があったりなど、ストレスから逃れるための一時的な家出は珍しくないでしょう。
高校生は小さな子供より行動力や判断力もあり、自分の望みを叶えたいという欲求も大きくなる時期です。
アルバイトをしてお金があれば多少の欲求を満たせるようになりますが、その行動力や向上心が裏目に出てしまい、トラブルの原因をつくることもあります。
高校生の家出の理由
高校生が家出する理由は、主に以下の3つに分けられます。
- 友人や友達などの交友関係
- 学校問題
- 家庭環境
高校生になると県外からも生徒が集まり、中学生に比べて視野や行動範囲が広がります。
今までに付き合ったことのないような人たちと出会う機会が増えたり、興味をそそられるものを自分で見つけられるようになったりします。
友人や恋人、先輩や後輩との関係に違和感を覚えたりうまく付き合えなかったりすることが原因で、大きなストレスを感じる高校生も少なくありません。
大人にしてみれば小さな世界でも、高校生にとっては学校で関わる人が世界のすべてです。
学校での人付き合いがうまくいかないと、家出という形で問題を解決しようとします。
また、親をはじめとする周りからのプレッシャーが大きいことで学業に悩み、友達といい関係を築けなかったり部活と勉強の両立に苦労したりします。
勉強面で親や学校からの期待が大き過ぎて、本当にやりたいことができなかったり自分の意思で物事が進まなかったりすることに耐えられず、家出するというケースです。
ほかには、両親が離婚していたりケンカばかりしていたりするなど、家にいたくないという家庭環境の悪さが家出の原因であることも少なくありません。
一方で、高校生という多感な時期の家出には、明確な理由がない場合もあります。
自分でもなにを望んでいるのか分からなかったり、自分の生きている意味が分からなくなったりする高校生もいるくらいです。
ひとつではなく、いくつかの小さなストレスが複雑に関わり合って家出を引き起こすことがあります。
高校生の家出は事件やトラブルに巻き込まれやすい
高校生に限らず、家出した人が交通事故や通り魔事件に巻き込まれたり、薬物や暴行などの被害にあったりするリスクは避けられません。
警察の資料の中には未成年の家出の中で最も多いのが中学生、次いで高校生という数字があります。
中学生よりも行動範囲も広がり、人によってはアルバイトで自由に使えるお金を持っている場合もあるため、高校生の方がより大きなトラブルに巻き込まれやすいといえます。
また、高校生にもなると、自分のやりたいことやほしいものを親に頼らず手に入れようとする自立心も働き始めます。
そのせいでお金の貸し借りなどの金銭トラブルに発展したり、出来心でたばこや薬物、お酒などに手を出したりする可能性もあるのです。
遊ぶためのお金がほしいという理由で売春に走ったり、ポルノの被害にあったりする危険性もあります。
近年このような性的な被害は女子高校生だけでなく、男子高校生にまで及んでいるので「男子高校生だから心配はいらない」という保証はありません。
高校生というと、自分で適切な判断を下せる大人であるというイメージがあるでしょう。
しかし社会という大きな視点で見れば、世界のことをなにも知らない子供と同じです。
高校生は社会に興味を持ち、自分の望みを叶えようとするエネルギーをあわせ持っているので、悪い大人に捕まれば簡単に犯罪に巻き込まれてしまいます。
家ではふつうに過ごしていても、学校生活やアルバイト先で悩んでいることがあるかもしれません。
表面には見えないストレスを抱えている子供こそ、急に感情が爆発して家出する可能性が高いのです。
普段から目を光らせるのは難しいかもしれませんが、何気ない変化に気づいて家出をさせないことが家族の大切な役割なのではないでしょうか。
警察は家出した高校生を探してくれる?
高校生である未成年が家出した場合は、警察が捜してくれる可能性が高いです。
しかし、警察が優先すべき捜査は殺人事件などの凶悪犯罪なので、民事事件である人探しには積極的になってくれないのが現実です。
(1)警察が捜査してくれる状況
以下のような場合には、警察が動いて探してくれる可能性が高いです。
- 遺書がある場合
- 肉体的・精神的な病気などに悩んでいる
- 事故や災害に巻き込まれた可能性
- 家出の兆候がない
- 誘拐や拉致の可能性が高い(証拠がある)
病気を持っていて帰りたくても帰れない状況に陥っていたり、行動範囲の中で事件や災害が起こったりした場合は捜査の優先順位が高まります。
事故や災害の場合はメディアで情報を呼びかけたり、鑑識による科学捜査や警察犬による捜査が行われます。
(2)警察が捜査を開始しても見つかりにくいことも
警察が動いてくれたとしても、どんな場合でも最短ルートで見つかるように本格的な捜査をしてくれるとは限りません。
緊急性のない家出だと判断されれば、写真や服装などの情報が全国に共有されるのみです。
情報が全国に行き渡ることでパトロールや補導、取り締まりや職務質問などで見つかることもあります。
しかし家出人が誰かの家やホテルなどから出てこない場合には、人の目に触れることがないので効果は期待できません。
このように、警察に相談したからといって本格的に探してくれるとは限りませんし、一刻を争う状況でないと判断されれば、警察が本格的に捜査をすることはないのです。
「そのうち帰ってくるだろう」「一時的な家出だろう」と信じたい気持ちもあると思いますが、なにもせずに帰りを待っている間に最悪の事態が起こることも考えられます。
子供の身の安全を確保したいのなら、他の方法で探すことが大切です。
自分で家出人を探す方法
警察が探してくれない場合や本格的な捜査を行ってくれない場合は、自分でできることから始めるとよいでしょう。
(1)私物や部屋を探す
まずは家出した高校生の部屋や、私物に手がかりがないかを探します。
遺書があるかどうか、財布やスマートフォン、通学カバンや学校に必要な荷物などがあるかどうか、着替えなどがなくなっていないかを調べましょう。
遺書がある場合は一刻を争う状況ですし、財布やスマホ、着替えなどがなくなっている場合は意図的な家出であるか、通学や帰宅途中で事件や事故に巻き込まれた可能性があります。
計画的な家出である場合は、パソコンの閲覧履歴に手がかりややメモ書きなどがないか調べて見ましょう。
(2)スマホで本人に連絡をとる
警察が探している場合でも、スマートフォンで本人に連絡を取り続けましょう。
電波が通じるところにいるのかどうか、メッセージが既読になるかどうかが分かるだけでも状況を判断することができます。
稀に連絡がつながって、危険な状態にあるということが分かる場合もあります。
連絡が通じる・通じないに関わらず、心配して探していることを家出人に伝えることが大切です。
(3)学校や子供の友人に聞く
家出人に連絡がつかなければ、学校や友人、アルバイト先などに聞いてみましょう。
誰も姿を見ていない場合や家出や自殺をほのめかす発言をしていたと分かれば、警察が本格的に捜査するための材料になります。
家出人の友人に限っては、本人に情報を漏らさないようにいわれている可能性があるので鵜呑みにしないようにしましょう。
同時に近くの親戚や近所の人に、家出人の姿を見たかどうかを聞いてみるのも忘れないようにしてください。
(4)本人が行きそうな場所を探す
家の中や学校、近所などを探しても見つからない場合は、通学路を通ってみたり本人が行きそうな場所に行ってみたりしましょう。
- 友人の家
- ゲームセンター
- 駅やバス停
- 公園
- コンビニやファミリーレストラン
- ネットカフェ
上記のような家出人の行動範囲の中にある場所をあたります。
高校生の家出は友達の家に居候しているところを見つかるケースが多いので、はじめに子供の交友関係から探していきましょう。
ただし、近年は高校生でもスマートフォンを持ち、SNSや出会い系アプリで知らない人と気軽に出会える時代なので、素人が一人で家出した高校生を探すのには限界があるかもしれません。
探偵に頼むと見つかりやすい
警察が本格的に捜査をしてくれない場合は自分で家出人を探すことになりますが、素人が闇雲に探し回っても効率が悪く、時間がかかります。
家出した人が危険なトラブルに巻き込まれている場合、時間が経てば経つほど生きて帰ってくる確率が低くなります。
家出人を探す際は「単なる家出だろう」「警察に頼るほどのことでもない」と思わず、早い段階で探し始められるかが重要なのです。
近所の人に知られたくなかったり大事にしたくなかったりする場合には、探偵に頼るという方法もひとつの手です。
探偵はプライバシーを保護しながら静かに捜査をしますし、素人では苦労する聞き込みや張り込みなども積極的に行います。
警察犬を導入したり緊急の遠征にも対応してくれたりするなど、警察に負けない捜査力があるので、場合によっては警察の捜査よりも早く見つかる場合もあるのです。
まとめ
高校生の家出は、警察に届けられない気軽なものを含めれば、特別珍しいことではないでしょう。
だからといって「そのうち帰ってくるだろう」「いつものことだ」「警察に頼って大事にしたくない」と考える人も多いはずです。
しかし、なにもせずに帰りを待つだけでは家出人が危険に晒される可能性が上がります。
ほとんど大人といってもいい高校生ですが、大人に比べれば正しい価値観や判断力が備わっていないので、間違った選択をして犯罪や事件に発展するリスクは高いです。
警察の専門は殺人や強盗などの刑事事件であるため、高校生の家出には対応してくれない可能性が高いことも事実です。
そのようなときに迷わず探偵に依頼するという選択をとれるかどうかが、家出人の安否に直結します。
高校生の家出には犯罪や事件の被害者になる恐れや、金銭や交友関係のトラブルに巻き込まれる危険性がつきまとっています。
家出をさせない努力に加え、家出をしたときに迷わず探偵に依頼するという選択肢を知っておくことが大切です。