警察庁が発表した「平成28年における行方不明者の状況」という資料では、平成28年の行方不明者の総数は8万4000人以上。
平成26年のから3年連続増加傾向にあります。
参考:平成28年における行方不明者の状況
これは警察が届出を受理した数の総数であるため、実際はもっと行方不明者の数は増えると予想されます。
年々増加する行方不明者数を鑑み、万が一ご家族、お知り合い等に行方不明者が出た場合を想定し、捜索願を出すタイミングや警察の対応の違いについて私達がリサーチした内容を元に本記事で解説します。
※「捜索願」は平成22年4月に名称が変更され、「家出人」は「行方不明者」、「捜索願」は「行方不明者届」となりました。本記事では便宜上、「行方不明者届け」を「捜索願」としています。
警察に捜索願を出したらどれくらいで見つかるの?
「警察に捜索願を出してから何日後に発見されるか」という点については、「平成28年における行方不明者の状況」の「所在確認の態様、期間」で確認ができます。
資料によると、平成28年に警察が届出を受理して所在確認(発見)できた行方不明者の数は3万6428人で、そのうち当日に発見されたのが1万6867人、1週間以内に発見される割合はおよそ77%程度です。
警察による発見に次いで多いのが、行方不明者が警察の発見前に自宅に帰宅等していた、あるいは届出をした家族が警察の捜索以外の方法で行方不明者を発見・連れ戻したケースの「帰宅等確認」。
こちらはほぼ、警察に捜索願を出してから発見されるまでの期間と同じくらいと見て良いでしょう。
警察に届出を出したからといって、必ずしも届出の受理当日、あるいは受理から1週間以内に発見されるというわけではありません。
また、警察の発見と同じくらいの割合で行方不明者が自宅に戻ってくる可能性もあります。
しかし、資料からもわかるように、失踪時から時間が経つほど捜索が難しくなり、発見される可能性は低くなります。
「いずれ戻ってくるだろう」と余裕で構えるよりも、早期に出来る限りの行動を起こすことが重要です。
では、警察に捜索願を出す適切なタイミングや、早期に捜索願を出すことのメリットとは何でしょうか?
警察署の捜索願の受付時間は?
万が一、お身内やお知り合いの中から行方不明者が出た場合、どうやって、いつ捜索願を届け出れば良いのか、詳しく知りたいという方もいらっしゃるでしょう。
警察署では24時間、捜索願を受け付けています。
捜索願を届け出る本人の身分証明書(免許証、パスポート等)、印鑑、行方不明者の写真を持って、警察署の生活安全課に申し出ます。
先ほどの行方不明者にかんする資料を見てもおわかりのとおり、失踪から捜索願が出されるまでのタイミングが早いほど、発見の確率も高くなります。
警察署では24時間捜索願を受け付けているので、失踪者の安全を確保するためにも、24時間以内に届け出るようにしましょう。
失踪者の状況によって警察の対応が異なる?
警察は捜索願の届出があれば、すぐに捜索を開始してくれるわけではありません。
失踪者の年齢や状況によって対応が異なる場合があります。
失踪者が小さいお子さんであれば、警察にも早急に捜索を開始してほしいものです。
また成人の場合は、単に外出しているだけで「捜索願を出さなくても、すぐに戻ってくるだろう」と考えがちです。
ここでは、失踪者を未成年と成人とに分け、それぞれ捜索願を出す場合の警察の対応について解説します。
(1)失踪者が未成年の場合
最近ではご家族から携帯電話やスマートフォンを渡されている未成年のお子さんも多いため、どうしても「何かあれば連絡が来るはず」と思い込んでしまいます。
しかし、その思い込みで捜索願の届出が遅くなってしまっては、早期の発見が困難になる可能性もあります。
いつもの帰宅時間を大幅に過ぎてしまったり、友達は皆帰宅しているのにお子さんだけが帰ってきていなかったりといった場合には、早急に捜索願を警察に出しましょう。
失踪者が13歳以下の場合、「特異行方不明者」扱いとなります。
その条件のひとつには、「病人、高齢者、年少者その他の者であって、自救能力がないことにより、その生命又は身体に危険が生じるおそれがあるもの」(電子政府の総合窓口e-Govより引用 )とあり、13歳以下の失踪者・行方不明者は「年少者」に該当するため、迅速かつ積極的な捜索がおこなわれる可能性が高いと言えます。
(2)失踪者が成人の場合
失踪者が成人の場合、先ほど言及した「特異行方不明者」に該当する人であれば、早急かつ積極的な捜索がおこなわれる可能性は高くなります。
しかし、いわゆる「プチ家出」のようなケースは、行方不明者が自分自身の意思で失踪したと考えられるため、「一般行方不明者」扱いとなり、警察が本腰を入れて捜索する可能性は低くなります。
さらに、失踪者自ら「捜索願の不受理届」を警察に提出している場合、「探さないでほしい」といった手紙やメール(失踪宣言書)が残されている場合は、失踪者が捜索を拒否する意志があると見なされ、警察による捜索がおこなわれません。
行方不明者が成人の場合は、本人に失踪の意志がある場合も考えられることに留意しておく必要があります。
いずれにせよ、失踪者が未成年の場合、あるいは成人でもプチ家出や失踪者本人の意志が確認できない場合は、失踪が発覚してから24時間以内に警察に捜索願を出すようにしましょう。
警察が捜索願を受理してもすぐに対応してくれない場合は?
先ほどお伝えしたように、失踪者が自ら望んで家出をしたり、捜索願の不受理届を警察に提出していたりする場合は、警察が捜索をおこなうことはありません。
さらに、事件性が薄いとされる失踪の場合は、積極的な捜索がおこなわれない可能性もあります。
大切なご家族や知人が、たとえ自ら望んで失踪したとしても、心配事は尽きません。
安否を知りたい、どこで何をしているのか知りたいと思うのが本心です。
警察に捜索願を届出たにもかかわらず、積極的な捜索がおこなわれないときは、人探しのプロフェッショナルである探偵事務所に相談されることをおすすめします。
(1)探偵に依頼するとどのくらいの費用がかかるのか?
普段の生活のなかで、探偵事務所に何かを依頼するということはほとんどありません。
人が探しを依頼するにしても、気になるのがその費用です。
人探しの費用は、その規模や難易度によって着手金・成功報酬が変動します。
調査期間が長くかかったり、調査のための人員を増やしたりすれば、当然ながら費用は高くなります。
また、失踪者を見つける手がかりが何もない状況であれば、人探しのための情報収集に時間を割く必要があり、この場合も費用も高くなる可能性があります。
探偵事務所に人探しの依頼をする際は、なるべく失踪から早期に、出来る限り手がかりとなる情報を多く提供するようにしましょう。
(2)無料相談を利用しましょう
多くの方にとって初めての経験である「探偵に人探しの依頼」。
当然ながら費用の面、捜査方法の面で不安はあるでしょう。
大手の探偵事務所では、電話やメールによる無料相談窓口を開設しています。
気になる費用や捜査方法はもちろん、必要となる書類等や個人情報の方針まで、不安に感じることがあれば何でも相談するようにしましょう。
まとめ
多くの方にとって、ご家族やご友人・知人が行方不明になるという経験は滅多なことではありませんし、実際に当事者になったときは不安でいっぱいになるものです。
「まさか」の事態も起こりうると考え、早急に、なるべく24時間以内に警察に捜索願を提出するようにしましょう。
「もし後で家に帰ってきていたら、警察の方にご迷惑になるし……」などと考えて届出を遅らせてしまっては、捜索が長引いて発見が難しくなる可能性もあります。
また、警察が積極的に捜索してくれないケースについても、対応を待つだけでは不安な時間が過ぎていくばかりです。
大切なご家族やご友人・知人の身の安全を確保するためにも、なるべく早めに探偵事務所に相談するようにしましょう。