家族が帰ってこない・家出かもしれないと疑っても、大事になるのを避けたいという思いから、警察に届け出るのを避ける人は多いのではないでしょうか。
大人の家出は自殺率が高く、時間が経つほどに発見率が下がるのです。
そうは言っても警察に届ければ捜査してもらえるのか、警察だけで見つかるのかは不安に思うでしょう。
そこで今回は、「家族が家出した」「自殺の疑いがある」という方に向けて、家出人を生きた状態で見つけるためにやるべきことを私達がリサーチした内容を元にまとめます。
この記事を参考にすれば、いち早く家出人を見つける方法を知ることができます。
目次
大人の家出は自殺率が高いってほんと?
過去の統計から、20歳以下の子供よりも成人した大人の方が自殺率が高いことが分かります。
警視庁の資料によると、20歳以上の自殺率は過去最大で40%近くまでありました。
この時期は、リーマンショックで世界的に経済が落ち込んだ時期でもあり、リストラなどで職を失った人が増えたことも原因のひとつです。
2012年以降は、成人の自殺率は20%台に落ち着いているものの、20歳未満の自殺率は3%に満たないことが分かります。
成人による自殺の理由の多くは「健康問題」と「経済・生活問題」に分けられ、半数以上が無職者です。
健康問題とは、身体障害や治らない病気を抱えた人だけに限らず、うつ病・統合失調症・社会不安障害などが原因であることも多いのです。
さらにはアルコール依存症、ギャンブル依存症や薬物依存症で借金を抱えている人も少なくありません。
社会で生きづらさを感じたり、仕事や生活で悩みを抱えたりする心の病気による自殺者が多いことから、大人の自殺率は高いと言えます。
遺書の有無
家出から自殺を判断する一番の要因は、遺書があるかどうかです。
遺書があるかどうかで警察の対処法も変わってきますし、自分が今後どのように動けばいいのかも変わります。
家族の家出・自殺を疑ったら、まずは遺書があるかないかを一番に探しましょう。
以下では、遺書がある場合とない場合に分けて、対処法を解説します。
(1)遺書がある場合
家出人の部屋の引き出し、衣類のポケット、本棚、パソコンなどの電子機器の中に遺書と思われる文章や自殺をほのめかすメモがあったら、自殺のために家出した可能性が濃厚です。
ゴミ箱の中や車のダッシュボード、可能であれば友人や知人にいつもと変わった言動がなかった・死にたいなどと言っていたことがなかったかを聞きましょう。
遺書がある場合は、事故や事件に巻き込まれて帰れなくなっているのではく、意図的に身を隠して自殺しようとしています。
緊急性が高いので、警察に届ければすぐに「自殺する恐れのある特異行方不明者」として捜査してもらえます。
(2)遺書は無いが自殺の可能性がある場合
家出人が遺書を残していない場合は、自殺をするかどうかの判断は難しいです。
意図的に帰宅しないのか、事件や事故に巻き込まれて帰宅できないのか分かりません。
2~3日だけ気分転換に誰にも知られずに旅行へ行っていた、などというケースも考えられます。
家出人の部屋や車、家の中のどこを探しても遺書がない場合は、知人・友人に「いつもと変わった言動はなかったか」「変わった様子はなかったか」を聞きます。
- イライラ、落ち着かない様子だった
- 食欲がなかった
- 部屋の掃除をしたり、身の回りの整理をしていた
- 引きこもりがちになっていた
このように些細なことでも、自殺のサインとして考えられます。
特に、仕事を辞めていたり「死にたい」と言っていたりする場合は、自殺を疑う必要があります。
遺書がない場合や自殺が明確な場合でなければ、警察が本格的に捜査に乗り出すことは極めて稀ですが、遺書がなくても警察に行方不明者届を出すことは効果的です。
捜査にまで至らなくとも、顔写真が全国の警察に情報として行き届きます。
自殺をためらって街を歩いているときに警察が保護したり、車の検問に引っかかったりする場合もあるからです。
- 「警察に依頼するのは気が引ける」
- 「勘違いだったら申し訳ない」
という気持ちよりも家出人の保護を最優先に考え、警察に相談してください。
自殺、事故、病気、事件などを判断する方法
警察に早く届け出た方がいいとは言っても、家出した原因が自殺なのか、事故・事件なのか、病気で動けなくなったのかまで判断するのは難しいです。
- 遺書がある場合
- 他人に「死にたい」ともらしていた
- 身の回りの整理をしていた
- 財布や車がない
このような場合には自殺の可能性が高いので、一刻を争う事態です。
部屋の状態や生活面で普段となにも変わらない人の家出は、事故や事件・病気の可能性を疑います。
携帯電話やスマートフォンのメッセージが既読になれば、生きている可能性が高く、一時的な家出だとも考えられますが、安心はできません。
連絡が一切つかず、携帯電源の電波も入っていないとなれば、自殺や事件・事故に巻き込まれた可能性や、人目につかないところで病気になって動けなくなっている可能性が高まります。
持病があったり、薬物やギャンブルの経験から事件に巻き込まれる可能性がある場合は、警察がしっかりと探すので届け出を提出しましょう。
そのうち帰ってくる…では遅い!家出人を早く見つけた方が良い理由
「ただの家出だ」「すぐに帰ってくるだろう」と思い込んでしまう人も多いです。
しかし、そう思っている内に手遅れになることも考えられます。
家出人を生きて連れ戻すには、いかに早い段階で行動できるかにかかっているのです。
警視庁の資料によると、家出人を生きた状態で発見できる確率は60%以上となっています。
行方不明者届が受理された当日で発見者数の約30%が見つかり、1週間まででさらに約30%が発見されるケースが多いです。
1ヶ月や1年となってしまうと、発見率は10%以下にまで下がります。
つまり、行動が早ければ早いほど、家出人が生きて見つかる可能性が高まるということです。
「そのうち帰ってくる」「警察に知らせたら大事になるのでは」と思っている内に、手遅れになる可能性が上がるのです。
どんな人が家出・自殺する?特徴は?
家出をして自殺する人には、いくつか共通する特徴があります。
家出人が本当に自殺を目的にいなくなったのかを見分けるためにも、確認しておきましょう。
- 部屋にこもりがちになった
- 口数が減った
- なげやりな態度になる
- 大切なものを処分するなど、身の回りの整理をする
- 服装、髪型、態度が明らかに変わった
- 情緒不安定になる
- 仕事でうまくいっていない
- 睡眠不足やリズムが崩れる
- 食欲がない
- 身近な人の死
- ぼーっとして無気力になった
このように、以前と明らかに変わった様子が見られたら「死にたい」「楽になりたい」と考えている可能性を疑います。
周りの人は、明らかに変化がある対象を気にかけるようにしましょう。
寄り添うように声をかけ続けることが大切ですが、無理に元気づけようとしたり、「頑張れ」と追い詰めたりしないように注意する必要があります。
まずは警察に届け出よう
自殺の可能性が高い場合も、自殺かどうかまではっきり分からない場合でも、まずは警察に行方不明者届けを提出しましょう。
警察が動く・動かないに関わらず、情報が広まるだけで発見が早くなるからです。
警察に届け出るために家出や自殺を疑った時点で遺書を探し、警察が動ける証拠を探します。
遺書が見つからなくても、家の中や知人・友人から得られる情報がないかどうか探してください。
判断する材料が増えるほど警察が捜査に乗り出す可能性は高くなりますし、探す場所を絞れるため、家出人を見つけやすくなります。
警察がすぐに探してくれないのはなぜ?動かない場合はどうする?
自殺の可能性がある場合や危険性が高い場合でも、警察は家出人を探してくれないこともありえます。
毎日届けられる行方不明者の捜索願を受理し、帰るつもりのある家出人や借金で夜逃げした失踪者まで探していたら、警察が本来捜査すべき事件に対応できなくなります。
警察が力を入れるべき捜査は殺人などの凶悪犯罪ですので、緊急性のない家出人の捜査に時間を使うわけにはいかないのです。
遺書が残された場合や、命の危険にさらされていることが分かる場合には、積極的な捜査を行います。
警察が対象者を捜査しない場合には、自分で地道に探すか、探偵などに依頼して探すしか方法はありません。
自分で探す方法はあるのか
自分で探す場合は、家の中から手がかりを見つけます。
パソコンの検索履歴や手書きのメモなどが残っていないどうか、クレジットカードの明細や通販の購入歴などを見ていきます。
自殺に適した場所を探していたり、そこまでの交通や道具を探したりしている可能性もあります。
手がかりを探しながら、メールや電話で連絡を取り続けてみましょう。
音信不通でも突然つながることもありますので、諦めないことが大切です。
同時にFacebookやX(旧Twitter)などで対象者がいなくなったことを知ってもらったり、友人や知人に呼びかけたりします。
あとは時間がある限り、自宅周辺・会社周辺・通勤ルート・行きつけの店・地元・友人の家など、家出人が行きそうな場所や縁のある土地に行き、聞き込みするのもひとつの手です。
不可能ではありませんが、自分で探すには限界があるのでプロに依頼することで早く発見できます。
探偵に依頼すると最悪の事態を避けやすい
自分で闇雲に探しても時間だけが過ぎていって、手遅れになる可能性が高いです。
探偵は人を探すプロですので、情報を元にロジカルで効率よく家出人を探します。
素人が手当たり次第に行う捜査よりも早く的確ですし、張り込み・聞き込みなどの効果が高く、労力を使う捜査を代わりに行ってくれます。
警察犬を使える探偵事務所も増えていますし、全国にコネクションを持って広範囲を捜査することが強みです。
家出してから早く探偵に依頼して、集中的に的確な捜査を行えば最悪の事態を避けやすくなるのです。
警察が捜査する・しない場合に関わらず、家出人を見つけるには探偵に依頼するのが効果的です。
まとめ
大人の自殺率は成人未満の人より圧倒的に高く、いかに早く探せるかどうかが発見率を高める重要な要素です。
自殺を考えて家出する人には兆候がありますので「自分には関係ない」と思わず、些細な変化を見逃さないことが大切です。
家出や自殺を疑ったら警察に届け出を出し、探偵に依頼するのが早く・確実に家出人を生きた状態で見つける近道です。
警察は事件性がないと積極的な捜査をしてくれませんし、自分で探すのは時間も労力もかかり、簡単ではありません。
時間がかかるほど発見率が下がるので、早い段階で探偵に依頼することで、最悪の事態を避けやすくなります。
家族がいなくなったら、ためらわずプロの探偵を頼りましょう。