「夫婦喧嘩のあと妻が書き置きを残したまま、数日間帰ってこない」
「妻がとつぜん行方不明になり、メールやLINEも音信不通」
このような事態になった場合、配偶者のあなたはどんな行動をとりますか?
前者の場合は明らかな「家出」で、後者の場合は「失踪(行方不明)」と捉えられ、ケースによって捜索の緊急性も警察の対応も異なります。
平成28年の警察庁の統計によると、警察署が行方不明者届を受理した当日の発見が最も多く、次いで2日~1週間以内となっており、それ以降の発見率は大きく下がります。
「そのうち連絡があるだろう」と油断していると、取り返しのつかない事態に発展する可能性もあるのです。
今回は、妻が家出or失踪した場合に配偶者が取るべき行動について私達がリサーチした内容を元に解説します。
目次
妻が家出or失踪する原因とは
妻が自分の意思で書き置きやメールなどを残して家出するのと、ある日とつぜん失踪するのとでは原因も異なります。
ここでは、家出or失踪で考えられる原因を挙げてみました。
(1)家出の原因と考えられること
妻の家出には人間関係や精神的苦痛など、さまざまな原因が考えられます。
ここでは、妻の家出の原因として多いものをいくつか挙げていきます。
①夫との関係の悪化
夫との夫婦喧嘩から家出に発展するケースは非常に多いようです。
喧嘩のきっかけは「夫が家事や育児に非協力的」「夫の借金、金銭問題」「DV(ドメスティック・バイオレンス)」などが挙げられます。
②姑との確執
夫の母親、妻から見て姑との確執は「嫁姑問題」と言われ、日本では古くからある家庭問題です。
夫が妻の味方になってくれれば事態が収束することも多いですが、妻が家庭で孤立すると家出に発展しがちです。
③家事、育児、介護のストレス
高齢者同士の夫婦では、配偶者が配偶者の介護をしたり、配偶者の父母の介護をしたりすることも少なくありません。
介護疲れも家出の原因になりがちです。
④浮気・不倫
「熟練離婚」という言葉が一般に浸透して久しいように、関係が冷めた夫婦では妻が別の男性と浮気や不倫をして、夜逃げ同然で家出することも少なくないようです。
(2)失踪の原因と考えられること
ここで扱う「失踪」とは、書き置きやメールなど行方不明者の足取りがわかるものがなく、事件性の高いものを指します。
家出とは異なり、失踪の原因は書き置きや病気の兆候などがない限り、すぐにわかるものではありません。
冒頭で触れた警察庁の調査では、平成28年に警察が受理した行方不明者のうち、原因としてもっとも多かったものが「疾病関係」で全体の25%でした。
次いで遊び癖や放浪癖などを含む「その他」の22.8%、「家庭関係」の19.0%と続き、犯罪関係は全体の0.7%という結果が出ています。
失踪の原因としてもっとも多いものは疾病関係で、そのうちの6割近くが認知症によるものとされています。
近年の高齢化に伴い、疾病関係による失踪も増加の一途を辿っています。
捜査を始める前にやるべきこと
妻がとつぜん行方不明になると、動揺したり不安になったり、逆に「いずれ帰ってくるだろう」油断したりして、冷静な判断ができなくなってしまうものです。
しかし、冒頭で述べたように、家出や失踪はスピードが命。
可能な限り発見につながる行動を起こしましょう。
警察や探偵に届け出る前に自分で捜査を始める場合、あるいは警察や探偵に捜査の出がかりを提出するために、具体的にどのような行動を取れば良いのでしょうか?
(1)書き置きの有無を確認する
書き置きが残されている場合は、明らかに妻自身の意思による家出と判断できます。
内容によっては、なぜ家出へと至ったのか、どこへ行ったのかを知ることもできますし、捜索の必要性や緊急性も読み取れます。
警察や探偵に捜索を依頼する場合は大事な手がかりとなりますので、書き置きが残されていないか必ず確認するようにしましょう。
また、メモのようなかたちで書き置きが残っていなかったとしても、メールやLINEなどで書き置きの代わりとなるようなメッセージが送られている可能性もあります。
逆に何の書き置きやメッセージもなく妻がとつぜん行方不明になった場合は、疾病による失踪や事件・事故に巻き込まれた可能性も考えられるため、早急に警察に行方不明者届を提出しましょう。
(2)実家へ連絡する
実家は家出した妻が向かう可能性が高いため、書き置きがあった場合などは妻の実家に連絡してみましょう。
夫婦喧嘩などが原因で妻が実家に帰るケースでは、早ければ1日~1週間以内に自宅に帰ることが多いようです。
(3)職場からの帰り道やスーパーなどを確認する
事前に仕事が遅くなる旨が連絡されていなかったり、書き置きが残っていなかったりしたときは、職場からの帰り道で何らかの事件・事故に巻き込まれた可能性も考えられます。
職場やスーパーマーケット、カフェなど自宅以外に妻が行きそうな場所を当たってみましょう。
また、認知症で徘徊する人は、かつて住んでいた家や勤務していた場所を探し求めて徘徊するケースが非常に多いようです。
失踪した妻に認知症など疾病があれば、前の自宅や職場の周辺も捜索するようにしましょう。
(4)妻の友人に確認する
実家以外に妻が身を寄せる場所としては、友人や知人宅などが挙げられます。
家庭がある友人には夫や子供がいるため、あまり行先の候補としては考えにくいですが、未婚の友人なら気軽にお邪魔することができるので、可能性としては未婚の友人から連絡してみると良いかもしれませんね。
(5)妻の所持品を確認する
妻の所持品や自宅に残していったものから、だいたいの行先を推測することができます。
警察や探偵に捜索を依頼する場合にも、行先を特定する手がかりとなるため必ずチェックしましょう。
たとえば専業主婦の妻がいつもよりも大きな額の現金やクレジットカード、銀行通帳を持って家出した場合は、遠出や外泊の可能性が高いと考えられます。
あるいは、いつも外出時には持ち歩いているはずの財布やスマホを自宅に置いたまま失踪した場合は、何らかの事件や事故に巻き込まれたと考えられるため、すぐに警察に届け出るようにしましょう。
妻が失踪した場合に取るべき行動
書き置きや連絡が一切なく、妻が何日も帰宅していない、あるいは認知症などの疾病を患っているという場合は、本人の命や身体に危険にさらされる可能性が高いため、すぐに警察に届け出る必要があります。
失踪した妻が次に示す「特異行方不明者」に該当する可能性があるか、確認してみましょう。
(1)特異行方不明者とは
特異行方不明者とは、国家公安委員会の「行方不明者発見活動に関する規則」の第2条第1項で定められている次の項目に該当する行方不明者を指します。
- 殺人、誘拐等の犯罪により、その生命又は身体に危険が生じているおそれがある者
- 少年の福祉を害する犯罪の被害にあうおそれがある者
- 行方不明となる直前の行動その他の事情に照らして、水難、交通事故その他の生命にかかわる事故に遭遇しているおそれがある者
- 遺書があること、平素の言動その他の事情に照らして、自殺のおそれがある者
- 精神障害の状態にあること、危険物を携帯していることその他の事情に照らして、自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがある者
- 病人、高齢者、年少者その他の者であって、自救能力がないことにより、その生命又は身体に危険が生じるおそれがあるもの
引用元:行方不明者発見活動に関する規則
いずれも、本人または他人の命や身体が危険にさらされる可能性が高いケースです。該当する場合はすぐに警察に届け出て、捜索を開始してもらうようにしましょう。
(2)行方不明者届を警察に届け出る方法
失踪した妻が特異行方不明者に該当する場合は、一刻も早く行方不明者届を警察に届け出ます。
届出先は自宅がある区域を管轄する警察署か、妻が失踪した区域を管轄する警察署です。
行方不明者届を警察に提出する届出人は、失踪者の配偶者や親族、同居人に限られます。
本人確認のための身分証明書、印鑑を持って行きましょう。
緊急性の高い行方不明であれば、すぐに警察が捜索に動き出します。
早期の発見につながるよう、妻の名前、外見、失踪時の服装などの手がかりや、書き置きやスマホなど妻の所持品等もあれば警察に提出しましょう。
妻が家出した場合に取るべき行動
失踪した妻が特異行方不明者に該当する場合、警察は積極的に捜査に動くと説明しました。
一方で、妻が「一般家出人」に該当する場合や、「捜索願不受理届」が警察に提出されている場合は、事件性が低いとして行方不明者届を受理してもらえないことがあります。
一般家出人とは、成人が本人の意思によって家出or失踪した行方不明者のこと。
事件や事故に巻き込まれた可能性が低いと考えられるため、警察も積極的な捜索はおこないません。
また、「捜索願不受理届」とは、家出人本人の意思で警察に探してほしくない旨を届け出るもので、警察は届け出た本人の意思を尊重し、積極的な捜索をおこなうことはありません。
警察の協力が得られない場合、配偶者や家族はどうしたら良いのでしょうか?
(1)自分で探す方法
事件性や緊急性の低いプチ家出であれば、まずは自分で捜索してみましょう。
書き置きやメールなど手がかりになるものがなくても、妻の実家に連絡してみたり、友人・知人に当たってみたりして、すぐに居場所を突き止めることができるかもしれません。
また、最近ではX(旧Twitter)やFacebookなどSNSを使って、不特定多数の人に捜索への協力を仰ぐことも有効です。
(2)探偵事務所を利用する
探偵事務所は人探しのプロフェッショナルです。捜索の緊急性の高い失踪・行方不明に近いケースから、警察が事件性のない失踪や家出と判断して捜索に積極的になってくれないケースまで、依頼があればすぐに捜索に動いてくれます。
当然ながら捜索費用はかかりますが、失踪や家出した妻を一刻も早く見つけたいと願うのであれば、すぐにでも探偵へ依頼しましょう。
失踪にしても家出にしても探偵事務所に無料相談するのも方法の1つ
多くの探偵事務所では、随時メールか電話での無料相談に対応しています。
妻が失踪したのか、家出したのかにかかわらず、まずは探偵事務所の無料相談を利用されることをおすすめします。
その理由は次のとおりです。
(1)警察に届出をしても捜索に動いてくれるかはわからない
ここまでに何度も指摘しているように、事件性や緊急性がない失踪は警察の「民事不介入」の原則により、積極的な捜索はおこなわれません。
たとえ行方不明者届けが受理されても、すぐに警察が動いてくれるとは限らないのです。
一方で、探偵事務所は失踪や家出、事件性の有無にかかわらず、人探しの依頼を受ければ捜索に動いてくれます。
無料相談を利用して、実際にどのような捜索をおこなうのか、料金はどれくらいかかるかなど、プロにとことん相談すると良いでしょう。
(2)無料相談で最適な方法を教えてくれる
「自分で人探しをする」とひとことで言っても、日々の仕事やプライベートのある人が、限られた時間のなかで、最適な方法で捜索をすることは難しいものがあります。
また、チラシやビラを巻いたり、SNSで拡散したりしても、本人が見つかる可能性は高いとは言えません。
探偵の無料相談では、人探しを依頼する・しないにかかわらず、親身になって配偶者や家族がとるべき最適な方法を教えてくれます。
警察が捜索に動いてくれる可能性が低い場合や、捜索について冷静なアドバイスを受けたい場合は、信頼できる探偵事務所に無料相談されることをおすすめします。
まとめ
妻が家出、あるいは失踪した場合は、すぐにでも捜索に動き出すようにしましょう。
「どうせすぐに帰ってくる」といった油断こそが大敵です。
とくに妻が特異行方不明者に該当する場合は、すぐに警察に行方不明者届を出しましょう。
妻が家出から帰ってきた場合は夫婦でしっかりと話し合い、夫婦関係や家庭環境を見つめ直すようにしたいですね。